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社長の経営日誌

孤高の天才 社長の経営日誌 田宮社長が好き勝手に織りなす独白です
  FILE No.554 2017.12.29  

「 さらば邪道(2) 」

(前回からの続き)

さて、遂に迎えた「邪道」大仁田厚、7年ぶり7回目の引退試合…しかし誰もが「本当に引退するの?」と半信半疑、と言うか殆ど信じていない(笑)、そりゃそうですよね〜、6度も復帰してりゃ(笑)。
「誰も信じてくれないけど、今度は本当に引退するんだけどな。」と自嘲気味に語る大仁田選手ですが、かくいう私もいずれ復帰はあると予想しています。
私に言わせれば大仁田厚は日本版テリー・ファンク、試合をやっていないとは言え本家・テリーだって未だ現役だし、プロレスを忘れられるはずがないのですよ。
そのテリーと比べればまだまだ若い大仁田選手、「生涯現役」として死ぬまでプロレスをやり続けると確信してはいるものの、一年かけてさよならツアーを行った今回の引退は95年の「二回目の引退」に次ぐ大がかりなものですから、流石に半年や一年での復帰は無いと思います。「7度目の復帰」は恐らく何か余程の大義名分がある時…果たしてXデーはいつか!?

兎にも角にも10月31日・後楽園ホールと決まった引退試合でしたが、突然雲行きが怪しくなってきました。
「超花火」シリーズでエクスプロージョン・プリンセス(以下、EP)を務める工藤めぐみが緊急会見を開き、11月3日・川崎に会場を押さえたので、ここで大仁田に最後の電流爆破マッチをやって欲しいと訴えたのです。

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 引退試合の3日後に
復帰!?こんな紛らわ
しいポスターまで…

かつてターザン後藤や天龍源一郎、はては二度目の引退試合でハヤブサと電流爆破で戦った川崎は大仁田選手にとって思い出の場所、本人の当初の意向はここで最後に電流爆破をやってリングを去る事でしたが会場が見つからず断念、前述の10.31後楽園(*電流爆破は不可)を引退試合とした経緯がありました。
工藤EPは大仁田の夢を叶えようと独断で動いたわけですが、いくら大仁田の復帰を予想する人が多くても引退試合の三日後に試合をしてはシャレになりません(苦笑)。
大仁田サイドには苦情や問い合わせが殺到、引退試合のチケットのキャンセルが100枚近く出たそうで、大仁田は「工藤の気持ちは嬉しいが川崎には絶対に出ない!」と断言、これを受けて工藤EPが世間を混乱させた事への謝罪会見を開いて騒動に幕が引かれました。
「後楽園で引退、三日後の川崎で復帰」はいくらなんでも×ですが(当然だ)、私見ながら最初から後楽園と川崎を引退二連戦としていれば出場は可能だったと思います。
(*前田日明や坂口征二、マスクド・スーパースターも引退試合を二試合行っている。)

さて大仁田のラスト戦、相手が誰になるのかずっと気になっていましたが、初期FMWに思い入れのある者としては当時の盟友にして最大のライバル、ターザン後藤が出て来る事を期待していました。
95年・川崎で戦うはずが後藤の電撃退団(スペース無いので経緯は割愛)によって流れた幻の引退試合ですが、あっさり没(そもそも交渉があったのか?)、では35年越しの因縁の相手、初代タイガーマスクはどうか? しかしこちらも体調不良で長期欠場中、そんな時、一部メディアが「水面下でテリー・ファンクと交渉中」とすっぱ抜き、色めき立ちました。日米師弟対決が実現すれば最高のロマンでしたが、残念ながらテリーが未だ試合が出来るコンディションにないとの事で、こちらも流れました。
果たして最後に相応しい相手が見つかるのか?そんな心配をしていた矢先、意外な大物が突如浮上して来ました。「猪木イズム最後の継承者」・「野獣」藤田和之です!

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 94年1月3日、テレビの企画で対面、大仁田は猪木戦を直訴したが…
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 ガッチリと握手して視殺戦、しかし対決は実現せず。

94年、アントニオ猪木vs大仁田厚の超・ドリーム対決が水面下で検討された事がありました。本来なら95年1月4日の東京ドームで実現するはずだった試合は交渉決裂、幻に終わりました。
当時猪木さんは「彼の方のスケジュールばかりが優先されて…」と言葉少なに語るだけでしたが、元側近の証言では大仁田側が「1.4ドームでシングルをやる前にFMWの大阪城ホール大会(94年8月)で猪木と大仁田のタッグ対決をやりたい」の条件を譲らず話がまとまらなかったそうです。
闘魂vs邪道の世紀の一戦が流産した事は残念でしたが、これ以来猪木さんは大の大仁田嫌いになったようで、この4年後(99年〜)大仁田が長州戦を目指して新日本に上がるようになった時、猛反対したそうです。
既に猪木さんは現役を引退していましたが大仁田はこの後もしつこく猪木戦をアピール、大晦日の猪木祭(2000年、2003年)に挑戦状を持参したりもしましたが文字通りの後の祭り…やはり95年のタイミングで実現して欲しかったです。
猪木戦をやり残した邪道にとって「猪木最後の弟子」藤田和之との試合は渡りに船、東京最後の電流爆破があった10.8お台場(FILE No.550 参照)に藤田が遂に姿を現し引退試合での対戦が正式決定しました。

さて遂に迎えた試合当日、チケットは全て完売で当日になって立ち見席が用意された程度(立ち見で5500円、高すぎ! 苦笑)で超満員の館内は熱気ムンムン、改めて引退興行がビッグ・ビジネスになる事を実感しました。
私の周りにも大仁田が大嫌いな人は何人もいますが、ほんとにこれほど好き(信者)と嫌い(アンチ)が分かれるレスラーは他にいません。

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 古巣・全日本プロレスから届いた花

アンチ派の嫌いな理由は一貫していて、場外戦やアイテムに頼ったデスマッチで殆どレスリングをしない事、前回書いたように大仁田の登場でインディが乱立するようになり、身体も小さければ基礎も出来ていないプロレスラーが増加、著しくレベルが低下した事です。
大仁田の功罪は色々ありますが、私が一つ言える事、プロはチケットを売ってナンボなのです。その点において未だインディの中で飛び抜けた知名度と集客力を誇り、会場に呼んだファンを熱狂・満足させて帰し次回のチケットに繋げる大仁田に誰も文句は言えません。客だって馬鹿じゃないのでつまらないものにお金は払いませんし、これほど「銭の取れるスター」を失う事はプロレス界にとって大きな損失ですよ。

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 還暦・大仁田選手と最後のツーショット

この日はあまりにファンが多いので混乱を回避する為、恒例のサイン・撮影会は試合前に行われました。
還暦になったばかりの大仁田選手は赤いライダースジャケットで登場、私の順番の時、「還暦になっちまったよ。」と言うので「おめでとうございます。」と伝えると「めでたいのかどうか…」とニヤリ、私にはとてもこれから引退する実感がありませんでした。

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大仁田の直弟子が勢揃い、田中将斗選手  徳島から駆けつけたフライングキッド市原選手  FMW一期生・超電戦士バトレンジャー選手
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奇しくも前座のバトルロイヤルで最後に勝ち残ったお二人と(*優勝はバトレンジャー)  観戦に来ていたチェース・オーエンズと  セレモニーで花束を渡した中野たむ選手と

いよいよメイン、心の準備の為、休憩時間にトイレに立って席に戻ったら、あら?隣席で一緒に観戦していた墨田区のHさんの姿が見えません。
何処に行ったかと思ったら、幟を持って入場通路に陣取った大仁田応援団の中にいるじゃないですか(笑)。「あんた何やってんの?」と聞いたら幟が一本余ったので急遽引き込まれたそうで(笑)。
試合は大混戦の中で大仁田がここ数年最も多く戦った好敵手、NOSAWA論外に実に計7発(7年ぶり7回目の引退に引っ掛けたのか!?)のサンダー・ファイヤー・パワーボムを見舞って終了、ここから最後の大仁田劇場が始まりました。
将棋倒しの事故が起こるのではと心配になるほど詰め寄ったファンに降り注がれる聖水、バックに流れるのは勿論「やさしくなりたい」です。
ちょうどこの試合を報じた週刊プロレスがこの曲に触れていたので引用させて頂きます。
「…流れるBGMは近年、団体問わず大仁田が上がるリングの締めでかかっていた斎藤和義の「やさしくなりたい」。何故この曲を流すのか関係者に聞いたところ、「大仁田さんが気に入っているから」が答えだったが、サビにそのヒントがある。タイトルの「やさしくなりたい」は勿論、「強くなりたい」の言葉もリフレインされるのだ。
「弱い男」を自認する大仁田だが、それは裏を返せば強くなりたい意思表示。
プロレスの強さは色々。還暦を迎えてもこれだけ多くの人を熱狂させる大仁田は決して弱い男ではない…。」
流石にプロのライターは名文を書くなあと感心(このブログと大違い 苦笑)したものですが、やはりあの曲は大仁田選手自身の選曲でした。
真に強い男は優しい…何度もリフレインされる「強くなりたい、やさしくなりたい♪」のフレーズを心に刻みながら、ファンにもみくちゃにされて退場する大仁田選手の後ろ姿を見送りました。7度目の復帰があるのか否か、それを知っているのは神のみ?ですが、ひとまず「さらば邪道、お疲れ様でした。」と言っておきます…。
大熱狂・邪道引退試合はこちらをクリック

当ブログも本日が2017年最終回ですが、こんな年末にアクセスして頂いた暇、あわわ熱心な読者の皆様、どうもありがとうございます!どうか良いお年をお迎えください。 ここ数年、大仁田選手とは一緒に写真を撮らせて頂く機会が多かったので(おかげで邪道タオルやTシャツの増えた事よ 笑)引退&年内最終回を記念して一挙公開して締めさせて頂きます。ファイヤー!!
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* 次回は2018年1月6日(土)更新予定
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