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社長の経営日誌

孤高の天才 社長の経営日誌 田宮社長が好き勝手に織りなす独白です
 FILE No.446 2015.10.31

「 どてらい男 」

本日で10月も終わり、今年も残すところあと二ヶ月となりました。
今月の第三週は二年に一度開催される展示会のジャパンパック、ジェプラの会合、フジパックシステムさんの代理店会であるA-12会などが重なり数日間東京に滞在しましたが日中は夏に戻ったような陽気、ホテルの部屋ではがんがん冷房を効かせていました。
このブログが更新される頃はかなり冬の足音が近づいているでしょうが、皆さん体調管理にはお気をつけ下さい。
東京出張と言えば勿論プロレスもあり(笑)、祝日の12日に前乗りしてお昼から後楽園ホールで全日本プロレス、夕方からは両国国技館で新日本プロレスを観戦しました。
東京に住んでいた時代からハシゴ観戦の経験は数多くあれど、新日本プロレスと全日本プロレスを一日で制覇したのは初めての事です。
かつてはプロレス界の二大メジャーと言われた両団体はともに旗揚げから43年と日本プロレス界で最も長い歴史を誇っています。
空前の他団体時代となった現在は新日本の独走態勢となっていますが、今でも私の中の感覚では新日本&全日本は二大ブランドである事に変わりありません。
例えるなら巨人-阪神戦が未だ「伝統の一戦」(もはや死後か?)と称されるのと同じと言うとわかってもらえるでしょうか。

東京では約一年ぶりにアイ・プランニングの内藤さんと食事をさせて頂きました。
以前に「不毛地帯」(FILE No.441参照)について書いたら内藤さんが是非観たいと言う事でしたのでDVD-BOXを無利子無期限(笑)でレンタルさせて頂きました。一人でも「不毛地帯」ファンが増えると嬉しい限りです。
他にも昔のテレビの話で盛り上がったのですが、その時話題に出たのが私が子供の頃観ていた「どてらい男(やつ)」でした。

「どてらい男」は花登筺さんの小説を原作に関西テレビが制作したドラマで、田舎から裸一貫で丁稚奉公の為に大阪に出て来た主人公・山下猛造(演じるのは西郷輝彦さん)が苦闘の末に商人(あきんど)の心得を学び、戦争時代を経て戦後は自分で会社を立ち上げる物語です。
「どてらい」とは紀州弁で「凄い」と言う意味だそうですが、1973年(昭和48年)〜1977年(昭和52年)の足掛け4年も続いて最高視聴率は35%を超え、タイトル通りの「どてらい」人気のドラマでした。
元々はうちの親父が好きで私も一緒に観るようになったのですが、今思えば親父殿、同じように広島から大阪に出て来た自分とだぶらせていたのでしょうね(笑)。
観ていたと言ってもなにぶんこちとらまだ小学生、私が記憶にあるのはシリーズのかなり後半、山下猛造が大阪の立売堀(いたちぼり=大阪人にしか読めないでしょうね)で天守産業と言う会社を作ってからのエピソードです。
当時我が社はまだ田宮紙業社でしたが、親父はその頃から社名変更の構想があったようで、家でよくそんな話をしていたので私が「天守産業にしよう!」と進言したのを覚えています(笑)。

「どてらい男」にはモデルが実在しており、機械工具の大手商社である山善の創業者、山本猛夫さんの立志伝だった事はかなり後で知りました。
内藤さんはリスパックに入社する以前、大阪で機械工具関係の会社に勤務されていたそうで、立売堀にある山善に集金に行った時偶然にも山本猛夫さんと対面したと言う話を聞いて驚きました。
若き日の内藤さんの前で山本さんは全然偉ぶる事なく、「取引額がこんなに少なくて申し訳ない。」と頭を下げたと言うのです。
本来ならむこうが買う側、若造を相手にふんぞりかえって応対してももおかしくないのですが、やはり本当の大物は役者が違いますね。

私にとっては物心ついた頃に観始めた最初のビジネスドラマで、商人の心意気を教わった作品ですからもう一度観たいのですが、何故か再放送はおろかDVD化もされないのを長年不思議に思っていました。
実は製作した関西テレビに第1話と最終回しかVTRテープが現存していないのです。
何ともショッキングな話ですが、昔のいわゆるオープンリールと呼ばれるテープは大変大きくて高価(1本10万円ぐらいしたとか)だったので、人気ドラマでも資料用に1話と最終回を保管する以外は上書きして使い回すのが常識だったのです。
その頃はビデオソフトとか二次利用の発想も無かったのでしょう。しかしこれは貴重な日本の映像文化の損失ですよ(涙)。

「どてらい男」はもう二度と観る事ができないのか…しかし奇跡的に山善にて123話分のテープが保管されていたそうで、これでどうにか全体の3分の2はカバー出来ました。
さらに関西テレビと山善は協力して昨年、残りの欠落しているエピソード(2〜6話&130〜180話)のテープが何処かに残っていないかを広く一般に呼びかける「どてらい男・捜索プロジェクト」(www.ktv.jp/doterai/inde)を立ち上げました。
非常に画期的なプランですが、それから一年以上が過ぎても結果報告がないところを見るとやはり成果は芳しくないのでしょう…何しろ家庭用ビデオが全く普及していなかった時代の話ですからねえ…。
それも映像のない130〜180話って、よりにもよって丁度私が観ていたシリーズの後半じゃないですか!ああ無情…(涙)。
そこで私のアイディア、「無いのなら作ってしまえホトトギス」、いっその事リメイク版を製作したらどうでしょう?
そもそもこれだけの名作がリメイクされない事自体が不思議ですが、もし実現するなら全く新しい役者さんも良いですが、西郷輝彦さんに再び主演して欲しいものです。
「どてらい男」は西郷さん主演で過去何度か舞台化もされているそうですからあながち夢物語でもないはず、西郷さんが元気な間に是非やって欲しいものですよ。

ところでテレビドラマ&映画は数あれど、何故か社長が主人公の作品が無い事に最近気がつきました。
「どてらい男」のようにゼロから出発した主人公がやがては社長になるサクセスストーリーではなく、最初から社長の奮闘を描いた作品は私の知る限り皆無です。
この夏レンタルで観た「ルーズヴェルトゲーム」(池井戸潤さん原作)は、企業戦争に挑む会社とそこで廃部寸前に追い込まれた野球部を舞台とした作品でした。 唐沢寿明さん演じる社長が便宜上主人公の位置付けだったものの、どちらかと言うと野球部を含む会社全体が主役のイメージでした。
「華麗なる一族」(山崎豊子さん原作)はキムタク演じる主人公が父親の北大路欣也さんに戦いを挑む物語でしたが、原作では父親の方が主人公だったそうです。
何故社長が主役のドラマがないのか? 答えは簡単、視聴率がとれないからでしょう。
ドラマを観る視聴者は大なり小なり劇中の主人公に自分を重ねて作品を楽しむものです。
しかしその視聴者の大多数を占めるのはサラリーマンですから、社長と言う立場には感情移入がしにくいものなのです。
社員が100人の会社でも1000人の会社でも社長は一人しかいません。ドラマを制作する側の立場になればそんな少数の層をターゲットにしても商売として成り立たないのです。永年の謎、いつまで待っても私の手記「社長10年史」ドラマ化のオファーが来ない理由がやっと分かりました(笑)。

しかし、世間の大半から共感が得られない(ま、別に共感して欲しいとも思いませんが)社長業ってつくづく孤独で因果な商売だと改めて実感します(涙)。
社長の気持ちが理解できる社員は残念ながら100人に一人いるかいないか、世の中そんな社員ばかりなら社長が主役のドラマを作っても間違いなくヒットする事でしょう(笑)。

(*奇しくもこの原稿を書き上げた直後の10月18日からTBS日曜劇場にて阿部寛さん演じる中小企業の社長が大手と戦うドラマ「下町ロケット」がスタート! 初回視聴率は16.1%と好発進との事です。「半沢直樹」や「ルーズヴェルトゲーム」と同じく池井戸潤さんの作品ですが、今や珍しい社長を描いたドラマの大成功に期待しています。)

今、日本には約412万の会社があるそうです。
と言う事は私以外にも孤独な戦いを続けている社長が412万人もいるわけで、そう思うと少しはほっとした気分になります。
もっとも「どてらい男」世代の私が本当に頑張って欲しいのは、真の商人の心を持った経営者で、生意気なようですがその数となるとずっと少なくなるのではないでしょうか。
我々の関連業界を見渡しても、社員が客を持って同業にジャンプしたとか、不当な金銭の授受の要求、購入した商品やサービスに難癖をつけて代金を支払わないetc…商人の風上にもおけない会社を山のように見聞きして来ました。
会社は全て社長次第、善悪ではなく損得が判断基準となっており、金儲けの為なら何をしても良いと思っている輩が社長を名乗っているのが悲しい現実です。

あらら、「どてらい男」の話がいつもの如く(笑)愚痴の連発になってしまいましたが、我が社は例え道は困難でも世の正道を歩む企業を目指す所存です。
心が弱った時は山下猛造の毎回の定番の名セリフ「よーし、やったるで〜!」の雄叫びをあげましょう(笑)。

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