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社長の経営日誌

孤高の天才 社長の経営日誌 田宮社長が好き勝手に織りなす独白です
 FILE No.441 2015.9.26

「 不毛地帯 」

今月の第2週目にようやく左手のギブスがとれてスッキリしました。
でもまだ、痛くて手をつけないんだよなあ、レントゲンを撮っても相変わらず分からない状態だし、果たして本当に治ったのか…?しばらくは慎重に様子を見たいと思います。

さて、このブログ更新の週はシルバー・ウィークでした。
シルバー・ウィークとは決して「敬老の日」が延長したわけではなく(笑)、春のゴールデン・ウィークと並んで国が経済活性化の為に設けた秋の大型連休です。
金、銀、と来たらお次は当然銅、ブロンズ・ウィークも作って欲しいものですね(笑)。
5連休明けなので本日のブログは休載しようかと思っていましたが、前回シルバー・ウィークが実現した2009年を調べてみると、9月26日は真面目に更新していました。
因みにその時のタイトルは「流通システム研究会」(FILE No.128参照)…6年の歳月を感じさせます。その頃のブログはまだ写真も殆ど無いし、何よりも書いている文章の量が今の半分以下! 6年でこのブログも相当な進化を遂げたと自画自賛しております。内容が偏りすぎとの声も多数ありますが(笑)。

デザイナーの作業日数が無いので締切も早く、写真もあまり使えないなど制約が多い中で何を書こうかと思案していましたが、ネタが無い時はテレビの話題に限る(笑)、怪我をして引きこもっている間に公約通り?5年ぶりにとうとう「不毛地帯」を観ました!
好きなドラマ数あれど、私が永久保存の為わざわざDVD-BOXを購入したのは(ウルトラシリーズを除けば)この「不毛地帯」と「ザ・ハングマン」のみです。
えっ、「相棒」は? …「相棒」は一年中再放送をやっていて、既に同じ話を10回以上は観ているので、あえて揃える必要はないのです(笑)。

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 フジテレビ系「不毛地帯」視聴完了!

放映当時(2009〜2010年)からハマった「不毛地帯」、その後DVDでも観て、ここ数年来毎年のようにもう一度1話から観直そうと思っていたものの、なまじ手元にあるといつでも観られるという安心感からかずっと先送りしていました。
今年もこのままで終わってしまいそうだったので、比較的暇な時期に視聴を開始したのですが、当初は一日1〜2話ずつのペースでじっくり観るつもりでした。
しかしいざ始まると、ストーリーが既にわかっているのに引き込まれ1回が終わるのが何と早く感じる事、すぐに続きが観たくて我慢出来なくなる、これぞまさしく「やめられない止まらない♪」のかっぱえびせん状態(←古い!)、結局全19話を5日で完走してしまいました。

「不毛地帯」は大ベストセラーとなった山崎豊子さんの同名の社会派小説を原作にフジテレビの開局50周年記念ドラマとして制作された一大巨編で、陸軍中佐で大本営(だいほんえい)の作戦参謀であった、唐沢寿明演じる主人公・壹岐正(いきただし)の生き様を通して高度経済成長期の日本を描いた作品です。
大本営とは戦争中に天皇陛下の直轄で組織された日本軍の最高総帥機関で、その決定には総理大臣すら口を出せないほどの権限を持つと言われ、中でも壹岐正が所属する参謀本部作戦課は日本最高水準の頭脳の持ち主が集められたエリート集団でした。

昭和20年、日本が戦争に敗れた時、壹岐はソ連軍に拘束されシベリアの奥地に強制送還されました。
日本人だけでも60万人以上もの人が、真冬にはマイナス50℃にもなる厳寒の地に連れて行かれて過酷な重労働を強いられ、6万人以上もの尊い命が奪われた「シベリア抑留」…一日に与えられる食事は固い黒パン350gとお湯のように薄いお粥一杯のみ(一食ではなく一日でこの量!しかも仕事のノルマが達成出来ないとさらに食事の量が減らされたと言う)、これはドラマの中のフィクションではなく、実際にあった事だと思うと今更ながら強い憤りを感じ、二度と戦争を起こしてはならないと思いますが、壹岐は11年にも及んだ地獄の抑留生活の中でどうにか生き延び、ようやく日本に帰還する事が出来ました。

それから2年が過ぎ、栄養失調で弱った身体の回復に務めながら浪人生活を送っていた壹岐の元に、大手商社である近畿商事の大門社長(演じるのは故・原田芳雄)から思いがけずスカウトの声が掛かります。
軍と違って畑違いの商社からの誘いに戸惑う壹岐でしたが、大門は「これから近畿商事が世界と戦っていくにあたって、大本営の作戦参謀と言う日本の中で最高の頭脳を持った組織の一員だった情報収集力、状況分析力を活かして欲しい。」と熱心に口説きました。
戦争に負けて国を荒廃させた責任を感じている壹岐でしたが、大門の「今度は軍事戦略で鍛えた頭脳を経済戦争で使って国の発展に役立てる、そういう責任のとり方もあるのではないか。」と言う言葉がとどめとなって入社を決意、こうして壹岐は全く未知の商社の世界の荒波に巻き込まれて行くのです…。

「不毛地帯」のストーリー自体はあくまでフィクションですが、主人公のモデルとなった方は実在しており、かつて大本営の作戦参謀を務め11年間のシベリア抑留を経験、帰国後は伊藤忠商事に入社して航空機部長、業務本部長、常務、専務と歴任し会長にまで上り詰めた瀬島龍三さんこそがその人です。
ドラマを観ればわかりますが、瀬島さんの経歴は会長就任を除いて壹岐正そのもの、瀬島さんは2007年に95歳でお亡くなりになりましたが、出来ればあと2年長生きして頂いて「不毛地帯」を観て欲しかったものです。

大手商社の血で血を洗うような企業戦争の中で信念を貫く壹岐の姿を描き、最後まで息つく暇もない程観る者を飽きさせない感動巨編でしたが、不思議な事にこのドラマ、全話の平均視聴率は11.6%とあまり奮いませんでした。
フジテレビはこの5年前に開局45周年記念ドラマとして同じ山崎豊子作品、主演も同じ唐沢寿明で「白い巨塔」を放送し平均23.9%を獲得、また2007年にはTBS系でこれまた山崎作品の「華麗なる一族」が平均24.4%の大ヒットとなっていた背景があり、大きな期待をかけたテレビ局としてはさぞがっかりだった事でしょう。
当時、よく社内で「うちの会社にも壹岐正が欲しい!」と言っていたのですが、あまり誰も反応してくれませんでした(苦笑)。
最近になって周りに聞いても「白い巨塔」や「華麗なる一族」は観ていたけど「不毛地帯」は知らないと言う奴の多い事…勿論、山崎作品はどれも傑作揃いで「白い巨塔」や「華麗なる一族」も大好きですが、それでも「不毛地帯」こそがナンバーワンと思っている私には返す返すも残念です。

人気不振の理由をネット上でにわか評論家たちがやれ「内容が暗い」「わかりにくい」「シベリアの描き方が物足りない」etc…好き勝手に書いていますが、難しいと言えば山崎作品はどれも難しいっての! 私は全5巻と大長編の原作も読みましたが、相当に難解で先にドラマを観ていなければとてもついていけませんでした。
それにしてもこれだけインターネットが普及し、若者のテレビ離れが叫ばれ、また、テレビを観ている人の多くがリアルタイムでなく録画して自分の好きな時間に番組を楽しんでいる現代にあって視聴率にどれほどの意味があるのか?素人の私にはよくわかりませんが、未だテレビ局が視聴率至上主義である事は変わらないようです。
数字が伸び悩んだせいで当初よりも制作話数が一話減ってしまったので、後半はやや駆け足の展開になってしまったのが何とも勿体無い事でした。
第1話が2時間18分の拡大版だったので、せめて最終回もそうして欲しかったのですがその願いも叶わず…でもDVDはディレクターズカット版、つまり時間の都合でテレビでは編集されてしまったシーンも加えてくれたので得した気分でした。
実は「不毛地帯」は1979年にもTBS系で平幹二朗主演でドラマ化されており、以前にレンタルで観ましたが、こちらは全31話もあったのでかなり原作に忠実な印象でした。
昔の連続ドラマは半年〜一年ぐらい放送するのがごく普通、1クール(3ヶ月)で終わるのはよほど数字が悪くて途中で打ち切りになった場合ぐらいでした。それに比べると今は最初から1クールが常識…昔はテレビ局にとっても良い時代だったのでしょうね。
「不毛地帯」のような大作は民放ではなく、数字にあまりとらわれないNHKとかBS放送向けなのかもしれません。

ついつい「不毛地帯」を語りだすと熱くなってしまいますが、番組を観ていない人をすっかり置き去りにしていますので(いつもの事?)このへんにしておきましょう。

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 この言葉に偽りなし…

とにかくDVDのパッケージのキャッチフレーズ「こんなドラマは、もうない。」は決して誇大広告ではありませんので未見の方は是非ご視聴をお勧めします。社員教育用にも最適ですよ!(笑)

勘の良い方はお気づきかと思いますが、「不毛地帯」と言うタイトルは親父のハゲ頭ではなく(笑)、極寒のシベリアの地を表しています。
山崎豊子さんが当初思いついたタイトルは「白い大地」でしたがイマイチしっくり来ず、何とタイトルを考える為だけに冬のシベリアを往復、草も木もない氷と雪の大地に立って思いついたのが「不毛地帯」と言う四文字だったそうです。
そしてこの作品には、高度成長期の日本でカネとモノに溺れる精神的な飢餓状態の中で人はどう生きていくべきか?と言う裏のテーマがあり、「不毛地帯」には、この精神的飢餓状態を表現する意味もあったそうです。う〜ん、何とも奥が深い…。

私は最初に「不毛地帯」と言うタイトルを聞いた時、てっきり我々包装業界の事だと思った事を最後に付け加えておきます(笑)。

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