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社長の経営日誌

孤高の天才 社長の経営日誌 田宮社長が好き勝手に織りなす独白です
  FILE No.543 2017.10.14  

「 猪木イズム(4) 」

(前回からの続き)

長年の悲願であったストロングスタイルの象徴、猪木イズムの権化とも言える「真の世界ヘビー級王座」のレプリカを入手したもののクォリティの低さにがっかりした私、せめてベルト部分を革ではなく本物のように布に取り替えようと思いましたが、ここで欲が出て来ました。
どうせならプレート部分も含め、自分で本物と寸分変わらぬリアルコピーを制作出来ないかという思いが抑えられなくなったのです。
早速国内外問わず鋳造(ちゅうぞう)メーカーを片っ端から当たりました。
ベルトの写真を添付し「鋳物(いもの)でこのベルトと同等品を作りたい。」とメッセージを送るも返ってくるのは「技術的に対応出来ない。」「難しい」と「NO」の返事ばかり、我が社のある東大阪市は「物作りの街」と言われ中小メーカーが多い事で有名なので、「灯台下暗し」で何処かで製造出来ないかと期待したのですが、やはりことごとく空振りでした。

すっかり暗礁に乗り上げ半ば諦めの境地に達しつつあった頃、ある地域の1社からだけ少し良い反応が返って来ました。
もしかしたら電鋳(でんちゅう)と言う方法で製造可能かもしれないと言うのです。
電鋳とは電気メッキ技術の一種で、電気分解した金属イオンを原型モデルの表面に電着させ、モデルの形状や表面の凹凸を忠実に複製・再現する加工技術で、鋳物と比べて熱収縮や気泡の影響が無く表面の転写精度が優れているそうです。
正直説明を聞いても素人にはチンプンカンプンですが(笑)、少しでも可能性が出て来たので喜び勇んで話を進めようとすると「正確に型をとりますので現物を送って下さい。」
これにはずるっとずっこけそうになりました。あのねえ、現物が無いから苦労してんだよ、現物持ってりゃレプリカなんて要らないっての!
「原寸大の写真を基に作って欲しいのですが」と連絡すると「現物が無いと難しいかもしれません。職人とよく相談してみます。」
この時点で駄目だな、とまたも諦めモードに入った私、ああ古舘伊知郎さんが本物を私に譲って下されば全て丸く収まるのに(笑)。
「なんでも鑑定団」の値決め600万円は逆立ちしても無理ですがせめてその30分の1なら何とか…(笑)。

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 (写真1)幻のゴッチ・
ベルト

しかし意外にも先方から「何とか写真を基にやってみる。」との返事があったのです!
夢の実現に遂に一歩前進、果たして私が望む、本物と並べても見分けがつかない(もっとも本物を真近で見た事ないけど)ぐらいのレベルの物が出来るのかかなり不安で 「全然急ぎませんのでじっくり時間をかけて良い物を作って下さい。」と伝えました。

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 (写真2)出来上がった
プレート、ちょっと綺麗
過ぎ

先方からは粘土で作った型 → 本物の金型と写真で逐一進行具合の報告があり、約10か月かけてようやく中央の大きなバックル部分と左右3つずつ、計6つのプレートが完成しました。本物(写真1)のような彫りの深い立体感に大喜びでしたが、最初の第一印象は思ったよりピカピカで綺麗だな、という事でした(写真2)。
写真の本物は黒く薄汚れた感じがいかにも初代王者フランク・ゴッチから続く(だからそれはフィクションだっての!)年代物の風格を感じさせますので、先方に相談して一度返品し汚しを入れてもらう事にして、そうして出来上がった完成形(写真3)はよりリアルな仕上がりとなりました。

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 (写真3)汚しを入れて
もらいよりリアルに。

プラモデルを作る所謂モデラーが戦闘機とか戦車の模型に「汚し」と呼ばれる塗装をするので、私は同じようにやるのだろうと思っていましたが、後で聞いたところ、薬品に浸けて汚した(つまり塗装ではない)のだそうです。いや〜、プロの職人の技術には脱帽です。
後は完成したプレートを知り合いの革屋さんに送り、用意してもらった布製ベルトに貼り付けてもらい長年の悲願、遂に「真の世界ヘビー級」超リアルコピーが完成しました。
やはり人間諦めなければ夢は叶うものですね(涙)。
尚、調子に乗ってベルトを保管する為の箱まで作ってしまいました。前回掲載したモハメド・アリがベルトを持つシーンを始め、ロビンソン戦や藤波戦、古舘さんの引退式まで、とにかく私が見たこのベルトの登場シーンは全て箱に入っていたからで、こちらは難波にあるショーケース・アクリルケースの専門店にお願いして比較的安く完成しました。

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長年の夢、幻のベルトが遂に完成!!

7月24日、後楽園ホールで行われたカール・ゴッチ没後10周年&モハメド・アリ没後1周年記念大会「ISM」にはゴッチ先生に捧げるべく、このベルトを持参しました。
とにかく暑い日で、猪木さんの代名詞・赤いタオルを巻いていこうと思いましたが手元にはIGF製のタオルしかなく、流石にこれはまずかろうと(笑)タンスの中を引っ掻き回していたらかなり年季の入った赤タオルを発見、これでいいかと持って来たのはこれまた金銭トラブルが元で今はもう無い株式会社猪木事務所製でした。これはこれで問題か(苦笑)。

この日は試合途中で抽選で選ばれた10人のファンがリング上で猪木さん&藤原組長からアキレス腱固めをかけてもらえるスペシャル特典がありました。当然私も応募メールを何十通と送りましたが、相変わらずのくじ運の悪さで試合前の当選発表の貼り出しを見たら見事玉砕していました(涙)。
当選した10人がリングに上がり、羨望の目で見ていたら、おや?何処かで見た人がいる?
facebook友達で、この日の試合前にも挨拶を交わした樽谷さんじゃないですか!後で聞いたらたった一通メールしただけで当選したとの事、何十通も送った私の立場は(苦笑)…。藤原組長のステンディング式アキレス腱固めにのたうち回る姿を写真に収め送ってあげましたが、因みにこの樽谷さん、試合後にはキラー・カーンのお店(居酒屋カンちゃん)に飲みに行って今度はカーンさんからもう片方の足にアキレス腱固めを極められたそうです(笑)。
7.24 ISMの模様はこちらをクリック

全試合終了後のお楽しみ、東京ドームホテルに移動しアフター・パーティに潜入しました。
毎度ながら最大の願いは神・猪木様とのツーショット撮影ですが、競争率が高いので期待半分諦め半分の心境、しかしこの日は猪木塾仲間とともに素早く猪木様に近づき、持参した「真の世界ベルト」を持って奇跡のツーショットに成功しました!
猪木さんに「ゴッチ・ベルトです!」とお見せしたら「ムフフ」との笑い、ま、まさか忘れてるわけはないですよね(笑)!?
また、猪木様を別格とすると一番人気のスコット・ノートン、その他多くの選手の方々と写真を撮らせて頂きました。いつもパーティに出ても忙しくて殆ど飲み食いする時間が無いのですがそれでも至福の時間、業界のパーティではいつも暇を持て余して飲み食いに専念しているので大違いです(笑)。
そして嬉しい事にこの日は猪木様が珍しく最後の中締めまでいて下さったのです。
周りは相変わらず人で一杯でしたが終盤になり少し落ち着いた頃、あつかましくも再度一緒に写真を撮らせて頂けました。
一度だけでも奇跡なのに二度までも、しかもこの二度目は猪木様の奥様がシャッターを押して下さったのです。
後日その写真を会社のパソコンのデスクトップの背景にしていたら、ある社員が「この写真上手ですね。誰が撮ったんですか?」と聞いて来たので思わず「おっ、君、わかるか?」と言ってしまいました。
それもそのはず、猪木夫人は元々プロのカメラマンだったのですよ。
そしてアルバムの猪木さんの写真でご注目頂きたいのは左手薬指のエンゲージリングで、目ざとい猪木塾生の中には最近の猪木さんが指輪をしているのを発見して、自分も長年放置していた指輪をはめて来たという人もいましたよ(笑)。
本当に夢のようなひと時で、この日ばかりは帰ってからも興奮して真夜中まで寝付けませんでした。
ISM アフター・パーティの模様はこちらをクリック

この4日後の28日はゴッチの命日で、大会収益金によって建てられた墓のある東京・荒川区南千住の回向院(えこういん)にて納骨式が執り行われました。
私は流石にその日は行けなかったので、8月9日出張で上京した際にお墓参りに行って来ました。
前夜は横浜で新日本プロレスのG1CLIMAXを観戦、8.8横浜と言えば伝説の猪木VS藤波の日(88年)ですから、どうせなら墓参りもこの日行けば良かったかなと思いましたが(こっちにも色々都合がある!)この9日も長崎原爆の日で、こじつければジャーマン・スープレックス・ホールド(原爆固め)をフィニッシュとしたゴッチとは因縁深い日です。
墓参りにはくじ運の強い幸せ者、樽谷さんを無理矢理誘って行ったのですが(お付き合い有難うございます)この日の東京は最高37℃の気絶しそうな暑さ!伝説のゴッチ教室の如く、先生が我々に与えた試練かと思いましたよ(苦笑)。
南千住の駅前にある回向院は吉田松陰や鼠小僧の墓がある事でも有名で、ゴッチのお墓は入り口を入ってすぐ右手前にそびえ立っていました。
建てられたばかりでまだ黒くピカピカの立派なお墓にはゴッチが愛飲していたワインが供えてあり、私も持参したゴッチ・ベルトとゴッチのTシャツを飾りつけさせて頂きました。ゴッチから猪木様へと受け継がれた「ISM」と「神」の称号…ゴッチ先生は天国から日本のプロレスをずっと見守ってくれるでしょう。最後は墓石に刻まれたゴッチの言葉で締めくくります。

「Never Lie、never cheat、never quit
技術と精神は常に一緒だ。
決して嘘をつくな 決してごまかすな そして決して放棄するな。」

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東京・回向院にて神様・ゴッチ先生の墓参り
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