「随分太ったんじゃないですか?」
ここ数年、久しぶりに会う人の10人中7人に同じセリフを言われ続けました。
(大きなお世話だバカ野郎!)と内心思いつつ、週に何度かジムに行ってプールで2時間も歩いたりしていましたが、努力も虚しく減るどころか年々じりじりと体重は増加傾向、焦りを感じていました。
最も私の場合は血圧も正常、メタボ検診にも引っかかった事もないので自称「健康的なデブ」と半分開き直っていたのです。
5月の会社の健康診断で医師から「もう少し体重を落として下さい。」と勧告されました。
(そんな事言われんでもわかっとるわ!努力しても痩せんから困っとるんじゃ!)
私の場合酒も月に1〜2回しか飲まないし(家で飲む事など年に1回ぐらい)暴飲暴食もしない(甘い物は好物ですが)、運動もしている、痩せない理由がよくわからなくて半ばサジを投げかけていました。
そして後日届いた健康診断の結果で、初めて再検査要の項目が出て来てしまいました。
げげっ!このままでは健康的なデブから当社に多い不健康なデブ(君もダイエットしろよ、○○くん!)になってしまう!
崖っぷちに追い込まれ胸のカラータイマーが赤の点滅を開始、一念発起してたまたまテレビで宣伝を見たトレーニングコースに申し込んだのです。
短期集中のトレーニングと食事コントロールで2ヶ月で15kg落とす事も可能と評判のコースで内容は週2回50分間の筋力トレーニング(2ヶ月で計16回)をマシンの置いてある個室でトレーナーの指導の元に行い、食事内容も報告しチェックしてもらいます。
10月末に人間ドックを受診予定でしたのでそれまでに結果を出そうと8月13日からのスタートで申し込みました。
いよいよ緊張の初回、ロッカールームで着替え、指定された部屋に向かいます。
すると私が早く着きすぎた為、まだ前の時間の人がトレーニングを行っているところでした。
部屋の前で待っていると中からトレーナーの「もう1回!」「まだできる!」と激しい怒声が!
しまった、とんでもないところに来てしまった…とドン引きしたものの最早逃げ帰る事も出来ません。やがて恐怖の私の時間となりました。
パーソナルトレーナーは高野大地さん、懐かしや高野兄弟(ジョージ高野&高野俊二)と橋本大地(破壊王、橋本真也2世)が合体した良い名前、先ほどの怒声とは一転してにこやかな好青年という印象です。
高野さんによれば前の人が比較的あまり頑張ってくれない人だったので心を鬼にして鼓舞していたとの事、初回の人(私)が外にいるので、あ〜しまったと思っていたそうです。
確かに最終的には本人の頑張りに全てがかかっていてトレーナーはあくまでサポートするだけ、そう思うと気持ちが引き締まりました。
ま、実際コースが始まると毎回私が罵声を浴びせられる事になるのですが(涙)。
しかしこの初回は、身体測定と食事メニューの打ち合わせぐらいで時間が来たので気負って来たぶんいささか拍子抜けしました。
しかし測定の結果、身体年齢が57歳と出たのはショックでしたね(涙)。
本格的な練習はその3日後の16日からで、この日は上半身の運動でした。
ベンチプレス、腕立て伏せとトレーナーの高野さんに怒鳴られながら何とかこなしましたが翌朝は物凄い筋肉痛に襲われました。
原則トレーニングは週2回で上半身をやったら次の回は下半身と、一回ごとに交代で全身をムラなく鍛えます。
初めての下半身トレーニングの翌日、やはり両足が凄まじい筋肉痛でとても歩けず、情けない事に通勤にタクシーを使ってしまいました。
ご存知の方も多いと思いますが、当社は駅からとても遠いのでこの日だけは歩く気力がなかったのです。
素人感覚では1日(1回)50分のトレーニングは短いと感じるかもしれませんが、とんでもない話です。
いつもトレーニング日が近づいて来ると非常に憂鬱な気分になり、行きは屠殺場に連れて行かれる牛の気分、帰りは痛む身体を引きずって自己嫌悪に浸りながら家路に着くという繰り返し、「筋肉痛?身体が喜んでいる証拠だよ。」と言ったのは長州力ですが、これぐらいのトレーニングはプロレスラーと比べたらそれこそ100分の1でしかないと思い気持ちを奮い立たせていました。
しかし人間の身体の順応力とは凄いもので、回を重ねる度にあんなに酷かった筋肉痛はかなりマシになって来ました。
苦しいトレーニングを少しでも楽にこなすには日頃からの鍛錬しかありません。
ジムに行かない日も自宅で腕立て、スクワットと自主トレーニングに励みました。
もっとも筋肉痛が残っている間は筋肉を休めないといけないので、上半身のトレーニングに行ったら、家では下半身といった具合にメリハリをつけていました。
ほぼ毎日やっていたのが、最大の課題である腹の肉を落とす為の4種類の腹筋運動で合計で一日300回をノルマとしていました。
一方食事の方は体内から余分な糖質をカットする為、炭水化物はNGとなります。
糖質が過剰だと運動しても脂肪よりも糖質の燃焼が優先される為、思うように脂肪が燃えません。私がいくら運動してもなかなか痩せなかったのはこれが原因だったのでしょう。糖質の塊とも言える炭水化物、特に米、パン、麺類などは厳禁、野菜は緑黄色野菜なら良いのですが、人参やじゃがいもは意外に糖質が高いのでこちらも自粛、逆に筋肉を育てる為に積極的に摂るのが鳥、豚、魚、卵などのタンパク質です。但し脂質が高くなるのはダメなので調理や味付け方法は要注意です。
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(次回へつづく) |
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